2015年7月9日木曜日

今米の川中邸の屋敷林を紹介します。

 かつては旧家の屋敷の中には林があり、防風林・防火林として、また燃料や堆肥などの供給源として、生活に欠かせないものでした。最近ではこのような大きな屋敷林を遺すところはあまりなくなっています。
 川中邸では今もなおうっそうとした緑に覆われた一角が、市街地の中に別世界のようなすばらしい自然の空間を作り出しています。多種多様な高木と、季節ごとにあざやかな花を咲かせる草花、そこに集う野鳥や小動物・昆虫などここだけの愛すべき生態系を形作っています。...
 
 市街地でみかけることはほとんどないキヌガサダケも妖精のような愛らしい顔をのぞかせます。
 
 いつ訪れても見どころ満載の屋敷林、数少ない東大阪市のほっとする癒しの場所として貴重な存在なのです。1989年に屋敷林として初めて特別緑地保全地区に指定されています。
 
 母屋は江戸時代後期に建てられ、離れは大正時代のもの、屋号は「美杜乃屋(みどりのや)」と号し、四季折々の緑豊かなこの屋敷林にちなんで、江戸時代の国学者「藤井高尚」が名付けたものです。

 現在では地域の方々と交流を深める憩の場として解放されており、母屋と離れ座敷は2006年に国の登録有形文化財に指定されています。
 「屋敷林を守る会」がボランテイアで屋敷林の保全に努めています。この前はたくさん生えてきた「たけのこ」の収穫が行われました。